『絵本 魔女のひみつ』 | ちわわ図書館

『絵本 魔女のひみつ』

コリン・ホーキンス(とまじょたち)、岩田佳代子訳

『絵本 魔女のひみつ』

個人的お気に入り度:★★★


おばあさんが(自分のか、近所のおばあさん全般かはよくわからない)
魔女かもしれないと思ったときの 見分け方、
魔女の子分のこと、家、おふろ、ファッション、
買い物、魔法の勉強、
パーティ、飛び方、年中行事などなど、
魔女の日常生活や生態に迫る、ちょっとした図鑑絵本。

朝ごはんにはカエルのたまごでできた魔女プリンや

毒キノコつきトーストを食べ、
コウモリの血とベラドンナ(猛毒)、キツネノテブクロの絞り汁に
イノシシの油が入った飛び薬を使ってほうきで空を飛び、
歯が痛いときには死んだモグラを首からぶらさげる


という魔女達の魔女っぽい暮らしを解説しつつ、

金曜の夕方にはスーパーの買い物カートで

レジまで「一番乗り競争」をしたり、
親指を立ててバスを呼んだり、

学校の勉強だけでなく料理教室やパソコン教室にも

通ってがんばらないとエリートにはなれなかったりと、


意外にお茶目だったり、庶民的だったり、

普通の人間同様の苦労をしていたりする面も紹介されている。


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魔女はどんな家に住んでいるのだろう?

何を食べて暮らしているのか?

どんなおまじないを使うのか、などの疑問に答え、

お話に出てくるような怪しげなイメージの黒い魔女について、

かなり細かく紹介し、親近感さえ沸かせてくれる。


いわゆる民間療法にたけたそのへんのおばあさん的な魔女、

のイメージもあるけれど、

この絵本で紹介されているのは、

黒装束だし、おできを人にうつしたりするし、

普通の植物を抜いて毒草を植えたりするので、

若干ダークな方面の魔法も使う魔女にしぼられている。


扱うのが黒魔法だからか、なんにでも変身できるけれど、

白いハトや白ウサギには化けられないそうだ。


エコでいいなと思ったのは、

お風呂にシャボン草という草を使うこと。

泡立つから体を洗えるし、

植物だから残り湯をネギの栽培に使える。


魔女について沢山の豆知識が書かれていて、

勉強になった。

(知識を実際に使う場面はほとんどないだろうが^^;)


こまかいところでは、

・双子の魔女は魔力が倍

・相手が王子か海賊かでどんなカエルに変えるのかちがうこと

などは「へえ~」と思ったし、


プロフィールによると、著者はブラックプール生まれで、

今はブラックヒースに住んでいるそうで、

黒がらみの地名ばかりで魔女の絵本をかくのにふさわしいな、

と思ったりして、これもまた面白かった。



なお、最後のページには魔女と黒猫の絵の下に線がひいてあり、

この線の上には、魔女にしかみえない、

ひみつのことばがかいてあります。

おばあちゃんには、みえるかもしれませんよ

と書いてある。


一体なんて書いてあるんだろう?

とても気になる。


コリン ホーキンス, Colin Hawkins, 岩田 佳代子
えほん 魔女のひみつ