『イボイボガエルヒキガエル』
三輪一雄
『イボイボガエルヒキガエル』
個人的お気に入り度:★★★
- 三輪 一雄
- イボイボガエルヒキガエル
ヒキガエルを見つけた子どもたちが、
アマガエルはflogだけどヒキガエルはtoadだよね、とか、
おたまじゃくしも宇宙人みたいでぶきみ、
なんて好き放題言う。
そのうち、天の声みたいないわゆる地の文が、
アマガエルとヒキガエルをくらべた解説を始め、
アマガエルは吸盤もジャンプ力もあるから
名ゴールキーパーになれるし、
色が変わるから忍者みたい、
でも、ヒキガエルはそういう特技はない。
などと、いちいちアマガエルとくらべて、
ヒキガエルのほうが劣っているかのように説明していると、
ヒキガエルが
「こらっ! さっきからだまってきいてたら、
アマガエルばっかりほめて、わしらメチャクチャやないかっ!!
(中略)
それに、わしは、ゴールキーパーにも、忍者にも、
気象予報士にも、なりたないわいっ!」
と怒り出し、
アマガエルより乾燥に強く、
毒で天敵を撃退できることや、
自動車にひかれるのはいかんともしがたいが
それでも種としてはしぶとく生きていく底力などを自らアピールする。
--------------------------------
まさかヒキガエル本人が出てきて色々教えてくれるとは思わず、
びっくりやら、うれしいやら(?)。
しかもなぜか大阪弁(?)なのがインパクト大。
本編もさることながら、
表紙、裏表紙をめくったところにある見返しの
「ガマガマ新聞」 その1、その2には、
ヒキガエルの豆知識が詰まっている。
日本にいる5種類のヒキガエルの名前や、
筑波山で催されるガマ祭りのこと
(8月。ガマの油売りの口上大会もあるらしい)、
ヒキガエルの置物は「客がひきかえる」で縁起がいいこと、
アマガエルにもよわいけど毒があること
(皮膚につく微生物をやっつけているらしい。石鹸いらず。便利だなあ)
など、勉強になった。