『消えたモートンとんだだいそうさく』
ラッセル・E・エリクソン、ローレンス・D・フィオリ絵、
佐藤涼子訳
『消えたモートン とんだだいそうさく』
個人的お気に入り度:★★★
「ひきがえる とんだ大冒険」シリーズの第2巻。
第1巻はこちら → 『かようびのごちそうはひきがえる』
そうじ好きのウォートンと、料理好きのモートンは、
ひきがえるの仲良し兄弟。
ウォートンの思いつきでキャンプに出かけるふたりだが、
初日の晩に大雨で増水した小川の水に流され、
モートンが行方不明に。
ウォートンはいかだを作ってモートンの行方を捜す途中、
ジャコウネズミのきょうだい、ハイラムとオービルと友達になり、
彼らの村へ。
ジャコウネズミの村は祭りの真っ最中で、
ウォートンはモートン捜しのためにいかだの帆を
2人のお母さんに直してもらったりしつつ、
祭りのジャンプコンクールにも参戦し、
ジャコウネズミとすっかり仲良くなる。
その晩、去年から同じ沼に住みついたビーバーたちが
作ったダムのせいで、沼が増水し、
ネズミたちの家は水びたしに。
ジャコウネズミたちによると、ビーバーたちは相当のワルらしい。
ジャコウネズミの祭りに遅れてやってきた亀に、
モートンがそのビーバーたちと一緒にいると聞き、
ウォートンはモートンが危険な目にあっているのではと、
大あわてで救出に向かう。 ところが……。
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コミュニケーション不足から生じた、ご近所のいがみあい。
(というか、お互い嫌っているだけでほとんど接触はなかったようだが)
2匹のカエル兄弟が関わったおかげで、
誤解がとけ、沼に平和が訪れる。
いやなやつらだ、悪いやつらだと決めつけて、
迷惑なことがあっても伝えもせず、陰で憎しみをつのらせていく。
ジャコウネズミたちは決して悪いひとたちではないけれど、
ビーバーたちとの関係を始めるときに、
ほんの少しまちがえてしまったのかもしれない。
そしてそれは、人間にも起こりやすいことなのかもしれない。
お話全体的にはテンポのいい冒険もので、
消化不良を起こすことなく、楽しめる。
ラッセル・エリクソン, 佐藤 凉子, ローレンス・ディ・フィオリ