『おっきょちゃんとかっぱ』 | ちわわ図書館

『おっきょちゃんとかっぱ』

長谷川摂子、降矢なな絵

『おっきょちゃんとかっぱ』

個人的お気に入り度:★★★


長谷川 摂子, 降矢 奈々
おっきょちゃんとかっぱ

『がわっぱ』  に頂いたマーガレットさん のコメントで知り、

おもしろそうだなあと思って読んでみました。

ありがとうございます^^


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川で遊んでいたおっきょちゃんを、

かっぱの子ども、ガータロがおまつりに誘う。

おっきょちゃんは浴衣に着替え、
庭にできていたきゅうりをお土産に持っていく。


ガータロに連れられて川の底にもぐっていくと、

にぎやかな祭りが催されていた。


大人のかっぱたちに取り囲まれるが、

ガータロがお客だととりなし、

おっきょちゃんがきゅうりを出すと歓迎してくれる。

かっぱたちにもらった祭りのもちを食べると、
地上での記憶が消えていき、
おっきょちゃんはガータロの家で家族として暮らすことに。


しかしある日水の上の方で自分の人形を見つけ、

おっきょちゃんは家のことを思い出し、

帰りたいと行って泣く。

しかし一度かっぱの世界にきた人間はもう帰れないのだ。


そこでガータロはおっきょちゃんを連れ、

ちえのすいこさま」 に何とか帰れる方法がないか、

たずねに行くことにする。


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どこか死後の世界を思わせるような、

川の底のかっぱの世界。


その場所では人間世界の記憶を失い、

この世に戻ってくるときにも、

赤ちゃんの誕生を思わせるような手順で、

まっさらな状態で帰ってくる。


別世界に行って、何かを得て、帰ってくる物語。

物語のツボが押さえられていて、楽しくて、ちょっと深い。


連れてきたことへの責任感からか、

ガータロが最後まで面倒見がよいのに好感が持てた。


絵もかわいい。

赤いカッパもいいなと思った。