『オオカミだって・・・!』
ベッキー・ブルーム、パスカル・ビエ絵、
中井貴恵訳
『オオカミだって・・・!』
個人的お気に入り度:★★★
- ベッキー ブルーム, Becky Bloom, Pascal Biet, 中井 貴恵, パスカル ビエ
- オオカミだって…!
おなかをすかせたオオカミが、静かな町にやってくる。
町外れの広場にブタとアヒルとウシを発見し、襲おうとするが、
彼らは本を読んでいて、オオカミをうるさがりこそすれ、
全然恐がろうとも、逃げようともしない。
「そういうことはほかでやってくれよ。」
「わるいけど、ここは本のよめる動物だけのひろばなんだ 」
そこで
「ええい、オレにはそんなこた関係ねえ、パクッ!」
といくのかと思いきや、
一念発起したオオカミは、学校に入学して読み書きを習う。
クラスで一番になったオオカミは、満足してくだんの広場へ。
ウシ・ブタ・アヒルの前でお話を読み始めるが、
「なに、それ?じゅもんをとなえてるみたい 」
まだまだ修行が足りないと感じたオオカミは、
図書館でつっかえずに本が読めるまで沢山の本を読み、
広場に行って「3びきのこぶた」 を読むが、
ちょっとうるさい、少しはよくなったがもっと読み方を工夫しろなどと、
3匹のダメ出しはかなり厳しい。
しかしオオカミはめげることなく本屋さんへ。
なけなしのお金をはたいてお気に入りの一冊
(お話が沢山入っている本らしい)を買い、
何度も何度も練習し、3匹の前に現われる。
オオカミへの3匹の評価はいかに・・?
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本の力、お話の力、そしてオオカミの努力が光るお話。
オオカミの素直さと、勉強熱心さにはびっくり。
当初は文字も読めなかったのに、
最後にはとうとうお話名人みたいになってしまうのだ。
とはいえ、初めはブタや牛たちを食べようとしていたのに、
広場に出入りするためには本が読めないとだめだというのを
真に受けて、すぐに勉強を始めるのがやはり可笑しい。
3匹のダメ出しも、かなり厳しくて笑える。