『たこのぼうやがついてきた』
ダン・ヤッカリーノ、きたやまかすみ訳
『たこのぼうやがついてきた』
個人的お気に入り度:★★★
- ダン ヤッカリーノ, Dan Yaccarino, きやま かすみ
- たこのぼうやがついてきた
たこのぼうや(と一言でいっても、絵を見るとかなり巨大)
を連れて帰ってきた女の子。
「かってもいい? ねえ いいでしょ。
おふろのなかにねかせるから。」
とパパにお願いするが、パパは反対らしい。
それもそのはず、家の中はすでに
女の子のペットで一杯なのである。
ベッドの下にはわにで、パパはちっとも眠れないし、
プールの中にはあざらし、冷蔵庫にはペンギン。
彼女が学校に行くときは、
キリンが煙突から顔を出してお見送りするし、
屋根の上にはヤギが。
仕方なくたこのぼうやを海に返す女の子。
しかし、悲しい別れのその直後には、
新しいペット候補と一緒に家に向かうのであった。
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のっぺりとした絵がかわいい。
とくに冷蔵庫にぎっしり並んでいるペンギンが気に入った。
わるびれたふうもなく、
次から次に新しいペットを飼いたがる女の子がにくめない。
女の子の無邪気さの前では、
お父さんのもっともなツッコミものれんに腕押しなのだ。
たしかに家はきゅうくつになり、
中には危険なペットもいるが、
私にも、こんな風にペットに囲まれて暮らせたら、
と憧れる気持ちはどこかにある。
ペットや周囲の人間からしたらはた迷惑だろうが。
煙突のある家自体多くはないが、
キリンが煙突から首を出してお見送り、なんて、考えるだけでも楽しい。