『ドロボービルのものがたり』 | ちわわ図書館

『ドロボービルのものがたり』

ジャネット&アラン・アルバーグ、佐野洋子訳

『ドロボービルのものがたり』

個人的お気に入り度:★★★★


ジャネット アルバーグ, アラン アルバーグ, Janet Ahlberg, Allan Ahlberg, 佐野 洋子
ドロボービルのものがたり


ドロボーのビルは、ドロボーしてきた物に囲まれて暮らしている。


ドロボーしてきたフィッシュ&チップスと紅茶の夜食をとって

毎晩ドロボーに出かけ、
ドロボーしてきたトーストにマーマレード、コーヒーで朝食を食べ、

ドロボーしてきたベッドで夜まで眠るのだった。


ある晩、ドロボーに入った家の玄関で、

穴のたくさん開いた大きな茶色の箱を見つけ、

いかす茶色のはこ 」 と言って持ち帰る。


ところが朝ごはんの後、パトカーが2台きたような物音がする。
音は例の箱の中から聞こえてきた。

なんと、箱の中には赤ん坊がいたのだ。


馴れないながらも献身的に世話をするビル。


ところがその晩、階下で物音が。

なんとドロボーの家にドロボーが入った模様。
そうっと2階から降りてきたビルが明かりをつけると、、。



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なんだか憎めない泥棒たちの、ちょっといいお話。


実はこのあと自分の罪を反省したビルは改心し、

幸せな第二の人生をスタートすることになる。

しかし、足を洗っても警察の前は通らないのが可笑しい。


また、盗んできたものを全部元の持ち主に返すのだが、

(さすがに食べ物なんかは返せなかったと思うが)

中には歯ブラシなんかもあって、

それも律儀に返しているのが笑えた。


ビル独特の選択眼で色んなものを盗む場面、

赤ちゃんとのやりとりなども楽しい。

短い話だが、映画なんかになっても楽しそうだなと思った。


隅々まで丁寧に描かれた絵も好き。

びっくりして毛を逆立てるビルの猫、

まるまるとしたバスタオルおむつの赤ちゃんなどの絵が面白い。