『こんにちは おにさん』 | ちわわ図書館

『こんにちは おにさん』

内田麟太郎、広野多珂子絵

『こんにちは おにさん』

個人的お気に入り度:★★★


内田 麟太郎, 広野 多珂子
こんにちはおにさん


(こんなお話)


本当はやさしくて、いつもイタチとタヌキを肩車してくれるのに、

他の誰かの前では威張って強そうなフリをしていた鬼。


ある日鬼は、クマとイノシシの前で毛虫におどろき、
タヌキにしがみついてしまう。

クマたちに笑われて恥ずかしくなった鬼は
家にとじこもり、イタチとタヌキが呼んでも出てこない。

真夏の日差しの下で待ち続けたふたりは倒れてしまう。

鬼はもう二度と外に出てこないのだろうか。


------------------------

(感想)

友達思いのイタチとタヌキ、2人のけなげさと、

鬼の人間らしさに共感でき、2度読んだが2度ともほろりとなった。


鬼が出てくるのをまちきれず

(夏から「さくらが散る頃」なんてとても待てない)

2人が実行した作戦(?)がなんとも素敵で、

その場面の絵もページをひらいたとたんぱっとはなやかで、

感動してしまう。


このページに限らず絵がきれいで、

雨の降るページ(梅雨の季節)は雨音まで聞こえてくるよう。


裏表紙では、鬼のことを笑っていたクマがイノシシを肩車していて、

鬼たちの友情がうらやましくなったんだろうなあと、

これもまたほほえましい。