ちわわ図書館 -47ページ目

『どうぶつえん ZOO』

アンソニー・ブラウン、藤本朝巳訳『どうぶつえん ZOO』
個人的お気に入り度:★★★

パパとママ、「ぼく」とハリーの4人家族が動物園に行く。
『シェイプ・ゲーム』の家族と同じらしく、こちらはおにいちゃんの視点。

見ている人間と、見られている動物とを、ほぼ交互に描くかたち。


レンガ塀と同化して見えるキリンの網目模様や、
パパの頭の後ろの雲が角みたいで、バッファローに見える絵、
人間に混じる、しっぽの生えたお客など、こちらも絵で遊んだ本。

ゴリラの絵と、パパが自分のジョークに受ける絵が迫力満点。

『シェイプ・ゲーム』に比べると、
ちょっぴりよそよそしく、もの哀しくもあるような、

なんとも不思議な感じ。

ママの、動物園は動物のためじゃなくて、人間のためにあるんじゃないか
(人間が動物を見たいためにあるんだろうが)
という独白がなんとなく納得。


見られているのは、人間のほうかもしれない。



著者: アンソニー ブラウン, Anthony Browne, 藤本 朝巳
タイトル: どうぶつえん

『シェイプ・ゲーム』

アンソニー・ブラウン、藤本朝巳訳『シェイプ・ゲーム』
個人的お気に入り度:★★★

パパとママ、ジョージと「ぼく」の4人家族が美術館に行く。

ロンドンのテート美術館でワークショップをして生まれた本で、
美術館(おそらくテート美術館)に実際展示されている絵と、
それらを家族に演じさせるパロディの絵や、
深い意味のこめられた絵に対する解釈、まちがい探しなど、
絵で遊べる本。

どこにでもいそうな一家の肩の凝らない美術鑑賞ぶりが楽しい。
お父さんのオヤジギャグも頻繁に出てくる。
「おしゃべりするソーセージがいるぞ!」
と叫ぶソーセージのジョークは思わず笑ってしまった。



著者: アンソニー ブラウン, Anthony Browne, 藤本 朝巳
タイトル: シェイプ・ゲーム

『ポスおばあちゃんのまほう』

メム・フォックス、ジュリー・ヴィヴァス絵、加島葵訳
『ポスおばあちゃんのまほう』
 
個人的お気に入り度:★★★

ポッサムのハッシュは、ポスおばあちゃんの魔法で透明になり、
元に戻れなくなる。
魔法をとくために、オーストラリア一周の旅をするおはなし。

アンザックビスケット、モルネー、ミンティー、ベジマイト、
パブロバ、ラミントン、といったオーストラリアの料理が耳新しい。
どんな食べ物か全くピンとこなかったが、
巻末に簡単な解説が書いてあり、親切。

オーストラリア特有の動物も登場する。
日本だったらどんな動物と食べ物のお話になるか、考えるのも楽しそう。

これも絵が綺麗。
リアルなコアラの絵とカラフルなヘビの絵が気に入った。



著者: メム フォックス, Mem Fox, Julie Vivas, 加島 葵, ジュリー ヴィヴァス
タイトル: ポスおばあちゃんのまほう

『セクター7』

デイヴィッド・ウィーズナー『セクター7』
個人的お気に入り度:★★★★

雲と友達になった男の子が、雲の設計図を描きかえるというストーリーの、字のない絵本。

絵が綺麗で気に入っている。
ニューモデル(さかなの形)の雲を見たときの、猫や魚の反応が、特にいい。



著者: デイヴィッド ウィーズナー, David Wiesner
タイトル: セクター7

『ドラゴンマシーン』

ヘレン・ウォード、ウエイン・アンダースン絵、岡田淳訳
『ドラゴンマシーン』
個人的お気に入り度:

ジョージにしか見えないドラゴンがいたずらばかりする。
ジョージはドラゴンそっくりの乗り物を作り、
「ドラゴンの楽園」にドラゴンを連れて行く、というお話。




著者: ヘレン ウォード, Helen Ward, Wayne Anderson, 岡田 淳, ウエイン アンダースン
タイトル: ドラゴンマシーン

『どうぶつ句会』

あべ弘士『どうぶつ句会』個人的お気に入り度:★★

どうぶつたちが四季に合わせた俳句を読むおはなし。
フクロウ、キツネ、鳩、ゾウ、カワウソ、はりねずみが
それぞれの性格や動物の特徴に合った俳句を作る。

絵も内容も、平和でのほほんとした印象。
殺伐とした雰囲気は句会には似合わないから当然だが。

巻末に参加者(どうぶつ)たちのプロフィールがある。
「父親のえいきょうで子どものころから俳句を始める」
「家は、江戸時代から和菓子を作っている」
など、設定が妙にこまかいところが可笑しい。

触発されて、私も一句。
「 富士山の シワまで見える 冬の朝 」
お粗末さまです。(全く同じ句を読んでる人がいたらどうしよう・・いないか。)



著者: あべ 弘士
タイトル: どうぶつ句会

『急行北極号』

C.V.オールズバーグ、村上春樹訳『急行北極号』
個人的お気に入り度:★★★

クリスマスの絵本。
サンタを信じる「僕」が列車に乗って北極点に行く話。
北極点にはサンタの秘密の町がある。

イブの透明な空気の感じが伝わってくる絵が素敵。
森のなかのオオカミたちの絵と、
サンタさんのそりを上空から描いた絵が気に入った。

最後のページの鈴もとてもリアル。
ずっしりと重い感じが手に取るよう。
鈴の音が聞こえてきそうだ。



著者: クリス・ヴァン・オールズバーグ, 村上 春樹, Chris Van Allsburg
タイトル: 急行「北極号」

『死を食べる』

宮崎学『死を食べる』
個人的お気に入り度:★★★

動物たちの死体と、死体を食べる動物たちの写真集。

死から目を背けることなく、淡々と観察することで、
動物のことをよく知ろうという作者の姿勢に感心した。

たとえば交通事故で死んだキツネの体からまずダニがいなくなり、
ハエやハチに食べられ、腐敗して骨と皮になり、
土に還ろうとするまでを順に撮影したもの。

バッタやカエルの死骸をアリが土に埋める様子。
クジラの死体。
死体をついばむ鳥。
そして人間も別の動物の死を食べて生きているのだ。とつづく。

動物の「生」は動物の「死」によって支えられている。

そのことに思いをはせて、きょう新たな気持ちで食べ物に手を合わせる。



著者: 宮崎 学
タイトル: 死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈2〉

『すなのおしろ』

たむらしげる『すなのおしろ』個人的お気に入り度:★★★

砂浜で砂の城を作っていたら、砂でできた生き物が暮らす砂の街に
招待されるというおはなし。

独特の世界観が楽しい。

クリーム色(と黄土色の間くらい)の砂の色がいっぱい。
砂の街の絵を描いたら、
絵の具セットのクリーム色だけすぐになくなってしまいそう。



著者: たむら しげる
タイトル: すなのおしろ

『ありとすいか』

たむらしげる『ありとすいか』個人的お気に入り度:★★★

ありたちがスイカをみつけ、どうにか巣にはこぶという話。

私が知っているたむらしげるのイメージとずいぶんちがう。
表紙うらに、「幻の処女作」と書いてあった。

ありの巣の中の描写が楽しい。
ポテトチップスとか、チョコレートとか、
子供の好きなお菓子がそのまま入っている。
さとうつぼの隣にちゃんと塩のつぼもあるのがいい。
それがスイカを運び込んでほとんどどの部屋もいっぱいなのに
たからものの部屋だけはちゃんととってあるところなど芸が細かい。

やっぱりスイカには塩をつけて食べたのかな?



著者: たむら しげる
タイトル: ありとすいか